■脊柱管狭窄症の治療 @保存療法

間欠跛行には、循環障害改善薬を用いる

脚の痺れや麻痺は、放置すると元に戻らなくなることもあるので、早期の治療が必要です。 一般に、まずは痛みを軽減するための「保存療法」が行なわれます。 治療法は、痛みをとるための「非ステロイド性消炎鎮痛薬」、痺れを取るための「ビタミンB12製剤」、 間欠跛行に対する「循環障害改善薬」などの「薬物療法」や、「神経ブロック」を行なうなど、 「椎間板ヘルニア」などほかの腰痛の場合と基本的に同じです。 また、「牽引療法」で筋肉の緊張を和らげたり、神経の圧迫を軽減することもあります。

間欠跛行に対しては、血管を広げて血流をよくする循環障害改善薬の「プロスタグランジン製剤」を使って、 血流を改善します。血行障害による間欠跛行では使われていましたが、ここ数年は脊柱管狭窄症の治療でも 使われるようになり、効果をあげています。

また、脊柱管狭窄症では、姿勢の矯正が重要です。腰を反らせると症状が現れるので、少し前かがみの姿勢をとり、 神経への圧迫を軽減します。体が前かがみの姿勢になるように作られた「屈曲コルセット」を、 医師の指導のもとで装着することもあります。

保存療法は1〜2ヶ月程度続けられ効果がない場合は「手術療法」が検討されます。 運動を行って、お腹などの筋力をつけることも大切です。

●神経ブロック

薬物療法だけではコントロールできないような強い痛みがある場合は、 「局所麻酔薬」「ステロイド薬」を注射する 「神経ブロック」を行なって痛みを抑えます。主に次の2つの方法があります。

▼硬膜外ブロック
お尻のすぐ上当たりの皮膚に針を刺し、「仙骨裂孔」という孔を通して、 脊髄を包む硬膜の外側の「硬膜外腔」に注射します。

▼神経根ブロック
飛び出した髄核に圧迫されて炎症の起きている「神経根(神経の根元部分)」に、 直接薬を注射します。


■脊柱管狭窄症の治療 A手術

椎骨の一部を切除して脊柱管を広げる

「保存療法では十分な効果が得られない」「手術を希望する」「痺れや麻痺、排尿障害・排便障害がある」 「歩ける距離が短い」などの場合は手術が検討されます。 特に排尿障害や排便障害がある場合は、後遺症を残さないため、早急に手術をする必要があります。 手術は神経への圧迫を取り除くために行なわれ、次のような3つの方法があります。

▼開窓術
神経を圧迫している部分だけ、椎弓や靭帯を切除し、他の部分はできるだけ残します。 通常、手術時間は1〜2時間程度、入院は約2週間です。圧迫されている範囲が狭い場合に向いています。 腰椎変性すべり症が原因で脊柱管が狭くなっている場合、神経への圧迫を取り除いても 椎骨がずれると再発します。そのため、椎骨がずれないよう、金属などで椎骨を固定する手術も行なわれます。

▼椎弓切除術
背中側の椎弓矢靭帯を広範囲に切除して、狭くなった脊柱管を広げます。 全身麻酔を行い、背中側から切開して、神経を圧迫している椎弓と靭帯などを広範囲に切除します。 切除する範囲によって異なりますが、通常、手術時間は1〜2時間程度、入院は2〜3週間程度です。 神経への圧迫が広範囲に及んでいる場合に適しています。 拝金を脊髄から剥離するため、「脊椎の強度や背中の筋力が弱くなる」といった問題が起こることがあります。 その場合は「椎体間固定術」を併用します。

▼片側椎弓切除術
背中の筋力を維持するために、椎弓の片側だけを切除する方法です。